今、話題になっている「給付付き税額控除」。そのモデルとされているアメリカのEITC(勤労所得税額控除)について紹介します。
Earned Income Tax Credit(EITC:勤労所得税額控除)について

「EITC」は、低・中所得の勤労世帯を対象に、働くほど税額控除が増え、一定所得を超えると段階的に減額される制度。
税金を差し引いた後も控除額が残る場合には、差額を現金で給付(還付)する。
つまり、「税額控除+給付」の性質を併せ持つ制度である。

・勤労所得(給与・事業所得など)を得ている者が対象
・所得が一定額以下であることが条件
・扶養家族の有無によって控除額上限が変わる
例(2024年税制ベース・概略)
扶養児の数/最大控除額(USD)/所得上限(概算)
0人/約600ドル/約17,000ドル
1人/約4,000ドル/約46,000ドル
2人/約6,600ドル/約53,000ドル
3人以上/約7,400ドル/約59,000ドル

EITCは三段階で構成される。
1. フェーズイン(増加期):働くほど控除額が増える(就労意欲を高める)
2. プラトー(一定期):一定所得まで控除額が最大
3. フェーズアウト(減額期):一定所得を超えると徐々に控除額が減る

・所得税の確定申告(Form 1040)でEITCを申告
・控除額が納税額を超える場合は超過分が還付(Refundable Tax Credit)
・雇用主側では源泉徴収で特別な処理は不要(個人が申告時に処理)
・アメリカでは年末調整に相当する制度はなく、確定申告ベース

定額減税とは違い、EITC同様恒久的な措置としての適用。
ですが、日本での給付付き税額控除はまだ具体的な導入時期は決まっていません。
また、EITCのような「働くほど増える」といった構造になるかは未定です。
制度設計やシステム整備に時間を要するため
「早くても2026年度以降、本格実施は2026年度後半~2027年度にずれ込む可能性が高い」との見方が有力です。