2023年2月16日更新

令和2年度改正により、雑所得の判定・取扱いが令和4年度申告分から変更となりました。

【概要】
雑所得とは、事業所得や給与所得、不動産所得など、所得税の計算上分類される所得10種類のうちの一つとなります。
雑所得は9種類の中のいずれの区分にも当たらない所得のことをいいます。

【従来の雑所得の区分】
令和3年度までの雑所得の計算は、国民年金や厚生年金などの①公的年金等の所得と②それ以外の所得との2種類に区分して計算を行っていました。

【改正後の雑所得の区分】
令和4年度以降は、
①公的年金等の雑所得、
②雑所得を生ずべき業務に係る雑所得、
③その他の雑所得
の3種類に区分して計算を行う必要があります。

【改正の背景】
サラリーマンの副業収入が、事業所得と雑所得のどちらにあたるのかという判断基準が論点とされています。これは、赤字が出た場合、事業所得については他の所得と損益通算ができる一方、雑所得は赤字を損益通算が出来ないことから、強引に事業所得として計上し、給与所得などと損益通算をすることによって、節税を図るケースが見受けられていました。
これに対応するため、本改正にて新たに帳簿書類の保存要件を追加することにより形式基準を設けることとし、基準が明確化されました。

【改正後の雑所得(3種類)の具体例】

区分具体例
① 公的年金等の雑所得国民年金、厚生年金など
② 雑所得を生ずべき業務に係る雑所得(本改正の追加区分)原稿料、講演料、シェアリングエコノミーなどの副業、兼業
③ その他の雑所得個人年金、暗号資産など

【改正後の雑所得・事業所得の判断基準】
下記区分に分けて判断します。

収入金額帳簿書類の保存あり
帳簿書類の保存なし
300万円超原則:事業所得原則:雑所得
300万円以下原則:事業所得(注)雑所得

(注)次の場合には事業所得として認められない場合があります。
① 領収書等の保存があったとしても、主たる収入に対する割合が10%未満の状態が3年程度続いていること。
② 例年赤字で、その赤字を解消するための取り組みを実施していないと認められた場合。

【雑所得とした場合の改正後の取扱い】
雑所得として判断した場合には、前々年の収入金額に応じて取扱いが異なります。

前々年の収入金額取扱い
300万円以下帳簿・請求書の保存不要
現金主義で計算できる
300万円超
1,000万円以下
5年間請求書等の保存が必要
発生主義で計算しなければならない
1,000万円超5年間請求書等の保存が必要
発生主義で計算しなければならない
収支内訳書を添付する必要がある

上記の内容で相談等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。