新紙幣発行によるシステム改修費の取り扱い
2024年7月2日更新
7/3(水)より新紙幣が発行されます。1万円札が福澤諭吉から現在のみずほ銀行やJR東日本など約500社の設立に関わり近代日本経済の父と呼ばれる渋沢栄一に、5千円札は樋口一葉から明治時代に女子教育の先駆者として活躍し津田塾大学の創設者とされる津田梅子に、千円札は野口英雄から破傷風菌の血清療法や結核予防などの医学の発展に貢献し、日本近代医学の父と呼ばれる北里柴三郎に変更されます。
前回の紙幣デザインの変更は2004年でしたので20年ぶりの変更となります。
今回の新紙幣はユニバーサルデザインを採用し子供や高齢者、外国人、目の不自由化な方などにも読みやすいように数字のフォントを大きく記載するなど変更されています。また、偽造防止技術として従来から採用されている肖像のすかしに加え背景にも高精細なすかしを入れ、肖像が見る角度によって肖像の向きが変わる3Dホログラムやコピー機では再現できないマイクロ文字が印刷されるなど世界で初めて採用されたものになっています。
新紙幣の発行となればシステム改修が必要となってきます。両替機やレジ、自動販売機などが例として挙げられます。
新紙幣になっても使えるように改修が必要になり、新紙幣の発行に伴うシステム改修によって改修費が生じた場合、改修費は修繕費に該当するのでしょうか?
新紙幣の発行に伴うシステム改修は、既存の紙幣だけでなく新紙幣でもシステムを利用できるようにするための改修であり、従来の機能を維持するために行われるものですので原則的に修繕費に該当します。
しかし、これを機にキャッシュレス機能を追加するなど利便性の向上ために新たな機能を追加するなど行った場合は修繕費とはならず資本的支出として固定資産に計上し、減価償却により費用化されていくことになります。
従来の機能を維持する改修費分と利便性の向上ために新たな機能を追加した改修費分の請求書を分けてもらうなど対策が必要になります。
システム改修費は多額になることも多く、また業者の対応も時間を要する可能性がありますので新紙幣が発行された後でも色々な対応に迫られることになりそうです。