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株に関する税務調査が厳しくなります!

2021年6月22日更新

マイナンバー制度が始まったのは2016年ですが、それまでに開設していた約2300万の証券口座については、当初2018年末までにマイナンバーを提供するように求められていました。しかし、登録がなかなか進まないため、政府は2021年末まで猶予期間を3年延長しました。その期限まであと半年となっています。

法的義務であるマイナンバーの提供を渋る個人はまだまだ多いようですが、今回は制度改正によって、証券会社は証券保管振替機構(ほふり)から未提供者のマイナンバーを強制的に取得できるようになっています。
具体的には、まず証券会社は未提供者の氏名、生年月日、住所といった基本情報を「ほふり」に通知し、マイナンバーのシステム管理などを担当する地方公共団体情報システムから該当者のマイナンバーの提供を受け、証券会社に伝えるという流れです。

したがって今年末にはすべての証券口座にマイナンバーがひも付けされる予定です。

現在、株取引の申告については、税務当局は証券会社から提出された支払調書をもとに申告内容をチェックしていますが、事務作業は煩雑です。マイナンバーのひも付けが進めば、たとえば複数の口座を持つ人を一つの名義に名寄せする作業などが効率化できます。

特に相続税の調査では注意が必要です。マイナンバーのひも付けができれば、税務署は来年から証券口座の資産の全容についてこれまで以上に把握しやすくなります。申告漏れの指摘が相次ぐ可能性がありそうです。

将来的には証券税制にも影響を与えそうです。
マイナンバーで正確な所得金額と有価証券などの保有資産額を漏れなく捕捉できるようになれば、現在一律に約20%で済む証券の運用益にかかる税率を、一定の高額所得者について引き上げる案も考えられます。

一方、預貯金口座についてはマイナンバーの提供がいまだに任意です。
個人の預金口座は約7億7600万もあり事務作業が膨大になることと、資産が税務当局にガラス張りになるのではとの懸念が個人の間で根強いことがその背景にあります。
しかし証券口座がすべてマイナンバーとひも付けされると預貯金だけが任意であることの説明がつきにくく、改めて義務化が議論されそうです。

上記の内容で相談等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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