インボイス制度(適格請求書等保存方式)導入による影響について
2021年4月27日更新
令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。
メディア等で話題になることは少ないですが、10%増税時よりも企業や免税事業者に与える影響は
大きい重要な制度であると言われています。
インボイス制度とは複数税率に対応した「適格請求書等保存方式」であり、税務署長に申請をして
登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が仕入
税額控除の要件となります。
このインボイス制度が始まると、「適格請求書発行事業者」として登録した課税事業者だけが「適格請求書」を発行することが出来ます。裏を返せば消費税の課税事業者でなければ登録を受けることは出来ません。
そしてその登録申請が本年、令和3年10月1日から提出可能となります。
適格請求書等保存方式が導入される令和5年10月1日から登録を受けるためには、原則として
令和5年3月31日まで(困難な事情がある場合には令和5年9月30日まで)に登録申請書を税務署長に提出する必要があります。
- 免税事業者からの仕入税額控除のスケジュール
令和5年9月30日まで 控除割合:100%
令和5年10月1日~令和8年9月30日まで 控除割合:80%
令和8年10月1日~令和11年9月30日まで 控除割合:50%
令和11年10月1日から 控除割合: 0%(完全廃止)
- 消費税転嫁対策特別措置法
買手側の消費税の転嫁拒否等を禁ずるこの法律は令和3年3月まで有効な法律となっています。
上記を踏まえた企業や免税事業者の影響
企業(事業主)
- 免税事業者に対しての支払は段階的に仕入税額控除割合の減少により納付税額が増大する。
- 法人設立時の最大2年間の消費税免税は取引先が企業か一般消費者であるかにより課税事業者選択の必要性がある。
- 企業経理部門の制度の周知
免税事業者
- 登録業者でない仕入の請求書は仕入税額控除の対象外となるので取引先を選別されたり
税額控除出来ない差額を割り引かれる可能性。
(企業によっては「適格請求書」発行業者のみと制約を付けることも考えられる)
- 上記により、課税事業者を選択するか否かの判断を行う必要性が出てくる。
適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは任意であること、基準期間の売上高が1,000万円以下となった場合であっても免税事業者にはならず、消費税の申告義務が生じることなどから免税事業者や免税事業者と取引をしている課税事業者も制度導入までにさまざまな事前準備や検討が必要になります。
上記の内容で相談等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。