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贈与税の申告内容の開示請求手続き

2024年1月23日更新

相続時精算課税制度が始まって20年が経過し、相続税の申告で制度適用による加算をすべきケースが増えてきている。しかし相続人自身が制度の適用を受けたことを失念している場合や、相続人以外の孫が制度を利用していた場合の確認の漏れなどにより、相続税の申告での加算漏れのケースも増加している。そこで、加算漏れを防ぐ手段の一つとして「贈与税の申告内容の開示請求」についてご紹介する。

 

贈与税の申告内容の開示請求とは

 

相続税の申告や更正の請求をしようとする者が、他の相続人等が被相続人から受けた相続開始前3年以内の贈与又は相続時精算課税制度適用分の贈与に係る贈与税の課税価額の合計額について開示を請求する場合の手続きのことをいう。

 

【開示を請求できる内容】(注1)

一 他の共同相続人等が当該被相続人から贈与により取得した次に掲げる加算対象贈与財産の区分に

応じそれぞれ次に定める贈与税の課税価額に係る金額の合計額(他の共同相続人等が2人以上

ある場合にあっては、すべての他の共同相続人等の当該金額の合計額 以下同じ)(注2・3)

イ 相続の開始前3年以内に取得した加算対象贈与財産

… 贈与税の申告書に記載された贈与税の課税価額の合計額

ロ イに掲げる加算対象贈与財産以外の加算対象贈与財産

… 贈与税の申告書に記載された贈与税の課税価格の合計額から100万円を控除した残額

二 他の共同相続人等が当該被相続人から贈与により取得した相続時精算課税の規定の適用を受けた

財産に係る贈与税の申告書に記載された相続時精算課税に係る贈与税の基礎控除後の贈与税の

課税価額の合計額

 

【条件】

・相続若しくは遺贈又は相続時精算課税の適用を受ける財産を

特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した者等であること

・他の共同相続人があること

 

(注1)  令和6年1月1日以降、開示内容について上記の通りに改正された

改正前 下記の贈与税の申告書記載の贈与税の課税価額の合計

・他の共同相続人が被相続人から相続開始前3年以内に取得した財産

・他の共同相続人が被相続人から取得した相続時精算課税適用財産

 

 (注2) 合計額のみの開示であるため、詳細等を知りたい場合は別途「申告書等閲覧サービス」にて

    確認しなければならない

    申告書等閲覧サービスの詳細は下記ホームページより

https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/050301/01.htm

 

 (注3) 基礎控除以下の贈与で申告書を提出していない場合等は、この制度では確認が出来ない

 

 

手続方法

 

【開示請求ができる時期】

被相続人が死亡した年の3月16日以降

 

【準備するもの】

・相続税第49条第1項の規定に基づく開示請求書 

・相続税第49条第1項の規定に基づく開示請求書付表   

・以下の区分に応じた添付書類

  • 全部分割の場合 … 遺産分割協議書の写し
  • 遺言書がある場合 … 開示請求者及び開示対象者に関する遺言書の写し
  • 上記以外の場合 … 開示請求者及び開示対象者に係る戸籍の謄(抄)本(注3)

 

【提出方法】

被相続人死亡時の住所地等の所轄税務署の資産課税部門の窓口に提出(注4)

なお郵送やe-Taxによる提出も可能

 

 (注3) 戸籍の謄(抄)本に代えて法定相続情報を添付することは出来ない

 

 (注4) 事前に電話連絡の上、来署する方が円滑に進む

 

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