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法人版事業継承税制

2022年8月2日更新

事業承継を受けた後継者が、一定の資産について、会社の事業を継続させることを条件に、本来かかる相続税や贈与税を猶予し、将来的にさらにその次の後継者に事業承継させることができた場合、一定の要件のもと本来納税すべきである猶予されていた相続税もしくは贈与税が免除される。「一般措置」と「特例措置」の2つの制度があります。

 

「特例措置」 一般措置との違い

①事前の計画策定等の提出が必要となる(令和6年3月31日まで)

②適用期限あり(令和9年12月31日まで)

③納税猶予の対象となる非上場株式等の制限の撤廃

④納税猶予割合の引き上げ(相続税80%から100%へ)

⑤最大3人の後継者へ

⑥雇用確保要件の弾力化

⑦事業継続が困難な事由が生じた場合の免除あり

⑧相続時精算課税の摘要 60歳以上の者から18歳以上の者(推定相続人でなくてもよい)への贈与

 

要件

Ⅰ 経営者が満たすべき要件

①先代経営者

・代表取締役の就任経験があること

・贈与または相続の直前に筆頭株主であること

・贈与後において代表取締役ではないこと

②後継者

・贈与を受ける時に代表取締役になっていること

・贈与または相続を受けることにより筆頭株主になること

※贈与で事業承継税制を使う場合、贈与前に3年間継続して役員である必要がある

※相続で事業承継税制を使う場合、相続発生から5か月以内に代表取締役に就任する必要があり、かつ、相続発生時には役員でなければならない

Ⅱ 会社が満たすべき要件

中小企業者に該当すること

Ⅲ 5年間守るべき要件

①後継者が会社の代表者であり続けること

②後継者が会社の株式を保有し続けること

③会社の雇用の8割を維持する事

※平成30年「経営状況の悪化や正当な理由があれば」雇用継続要件が満たせなくてもよいこととなった

Ⅳ 「免除」になるための最後の要件

後継者が次の代に事業承継すること

次の代に事業承継ができて初めて「納税猶予されていた」贈与税・相続税が「免除」となる

※生前贈与の場合

再び事業承継税制を使う

事業承継税制を使って贈与を受けた人が、次の代に事業承継税制を使って贈与すれば、税金は免除となる

※相続の場合

事業承継税制を使わなくても全額免除

(後継者が5年以内に死亡してしまった場合も全額免除)

但し、免除されるのは、1代目から2代目間の税金で、2代目から3代目間の相続税は通常通り発生する

(3代目でも事業承継税制を使いたければ改めて申請を行う必要がある)

※売却(M&A)の場合

免除とならず、納税が必要となる

(業績の悪化等が理由で売却しても納税が困難な場合、一部免除が可能)

 

注意事項

①事業承継税制の開始から5年間は毎年「継続届出書」を都道府県と税務署に提出しなければならない。(5年経過後は3年ごと)

②事業承継税制を使って後継者に贈与し、納税猶予される5年間の間に廃業などでこの制度を途中でやめることとなってしまった場合、納税の際、利息が発生する

(但し、5年経過後に納税した場合は5年分の利息は免除されます)

③M&Aで売却したときには、納税しなければならない

事業承継適用時とM&A時の株式評価額を比較して後者の方が低ければ猶予されている税額の一部が免除される。逆に高い場合は税額が増えることはありません。

④承継期間内(5年間)に打ち切りとなってしまう事由がある

代表者をやめる、同族が過半数以下になる、総収入金額0、資本金の減少(欠損補填を除く)、上場会社となる等

事業承継税制特集|国税庁 (nta.go.jp)

 

 

上記の内容で相談等ありましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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