厚生年金受給に関する基礎知識(令和4年度)
2022年12月9日更新
■厚生年金受給に関する基礎知識(令和4年度) 出典:日本年金機構
LK03.pdf (nenkin.go.jp)
◎お客様との会話の中でよくある内容を一部挙げておきます。
※企業年金などは今回触れていません。
「老齢年金」とは(P1参照)
老齢年金は加入していた年金制度(国民年金、厚生年金)によって下記の2つがあります。
① 老齢基礎年金
→いわゆる1階部分と呼ばれる国民年金で主に自営業の方や扶養だった配偶者が受給する年金
→繰上げ受給(60~64歳)や繰下げ受給(66~75歳)によって受給額が大きく変動
※繰上げ受給及び繰下げ受給については(P9~12参照)をご確認ください。
② 老齢基礎年金+老齢厚生年金
→いわゆる2階部分と呼ばれる厚生年金が上乗せされたサラリーマンの方が受給する年金
→厚生年金部分は掛けてきた標準報酬月額の等級(1~32等級)によって変動
「特別支給の老齢厚生年金」とは(P2参照)
特別支給の老齢厚生年金は昔の年金制度では通常60歳から受給資格があったところ昭和60年の法律改正によって受給資格が65歳からに改正されたことで創設された経過措置にあたる老齢厚生年金です。
受給資格がある方は必ず申請して受給する方が良い老齢厚生年金ですが、これがよく老齢年金の60歳からの繰上げ受給と勘違いされ、あえて受給しないことを選択されていることが多くあります。
受給資格が5年で時効になってしまいますので、特別支給の老齢厚生年金の受給資格を放棄している状態の方は申請することをお勧めします。
「年金の受給資格」とは(P3~5参照)
以前は原則25年以上(300月)の資格加入期間が必要であったところ平成29年8月以降に受給開始年齢を迎える方は10年以上(120月)の資格加入期間に緩和されているため、25年未満で諦めていた方も申請すれば受給することができます。(通常は通知が届くはずです)
なお、■加入期間が10年ちょうどだった場合に受給できる1階部分の老齢基礎年金の月額は納めていた国民年金保険料の月額掛金とほぼ同額になります。(満額が年間約78万円でその4分の1であるため)
ただし、免除等を受けていた加入期間がある場合には調整計算が入るため減少します。
「付加年金」とは(P5参照)
例えば自営業の方が国民年金保険料を納付する際に400円の付加保険料を上乗せして納付するだけで、年金受給時には【200円×付加保険料納付済月数】が年額にプラスされることになるため、なんとたった2年で元が取れてしまう素晴らしい年金制度です。
・納付した付加保険料総額:400円×480ヶ月=192,000円
・受給できる付加年金年額:200円×480ヶ月=96,000円 ← 2年で回収できる
「在職老齢年金(支給停止になる可能性がある年金)」とは(P13~14参照)
老齢厚生年金の受給を受けながら会社に勤務している場合は厚生年金に加入しなければならず、会社から届出している標準報酬月額の等級によっては、受給している老齢厚生年金の一部が支給停止になってしまうことがあります。
端的にいうと、受給している老齢厚生年金と標準報酬月額の1ヶ月分が47万円を超えているかどうかで支給停止額が算出されます。
ちなみに、この支給停止基準は令和3年度では65歳になるまでは28万円でしたが、令和4年度からは60歳以降すべてが47万円に緩和されました。
なお、ここでもよく勘違いされるポイントとして、支給停止になるのはあくまでも標準報酬月額に関係してくる報酬比例の老齢厚生年金である2階部分の厚生年金だけであり、1階部分の老齢基礎年金である国民年金は支給停止になることなく受給することができますので、在職老齢年金の支給停止額を試算する時の「基本月額」の取扱いには注意してください。
※例外的な取扱いが入ることもありますので、特殊な事情があると思われる時は最寄りの年金相談センター等で確認することをお勧めします。
上記の内容で相談等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。