健康診断・人間ドッグは経費(福利厚生)になりますか?
2021年9月7日更新
先日、お客様の方から、健康診断・人間ドッグは経費(福利厚生)になりますか?
とご相談を受けましたので、本日はこちらについてご説明致します。
結論からになりますが、役員だけを対象とせずに、著しく高額でない場合は経費として認められます。
ポイントは2点
〇 役員だけでない
→ 身内だけ、役員のみ対象では福利厚生の概念から逸脱します。
全員を対象とし、希望者のみが受診している場合が経費となりますが、受診されていない方に金銭等の支給をすると給与課税になります。
また、年齢などを条件に〇〇歳以上対象とすることは可能です。
〇 著しく高額でない
→ 金額判定が困難ではありますが、国税庁のホームページによりますと、人間ドック2日間の例示がありますので、数万円内は許容範囲であることが想定できます。
その他
〇 オプション検査
→ 本人が選択するものとなり金額の幅もあるため、原則的には本人負担であり、会社が負担した場合には給料になります。
〇 役員だけの法人(個人事業主)
→ 労働者が対象なので役員だけの会社での役員や個人事業主本人は、福利厚生費として経費処理することは難しいです。
但し、実務上は少額であれば経費として通っているケースもあります。
コロナ禍により健康を意識するような会社が増えてきています。健康診断や人間ドックを充実させる会社も増えてくると考えられます。
給与課税にならないように気をつけながらルールをしっかり定める必要があります。
参考法令等
所得税基本通達36-29【課税しない経済的利益……用役の提供等】
「使用者が役員若しくは使用人に対し自己の営む事業に属する用役を無償若しくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない。」
国税庁 質疑応答事例
人間ドックの費用負担
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm