「 副業に関する基本通達改正案 」 の修正
2022年10月18日更新
国税庁は8月に公表した副業などに関する所得税の基本通達の改正案を修正します。
新たな通達では、帳簿書類がある場合は所得区分を「事業所得」に、ない場合は「雑所得」とします。
従来案は原則、年間300万円以下の副業などの収入を雑所得とする内容でした。
雑所得は他の所得と損益通算できないなど納税者に不利な点もあるため一部から反発が出ていました。
今回のパブリックコメント(意見公募)には、7000件超の意見が寄せられるなど異例の関心が集まっていました。
「真面目に帳簿を付けて事業をしている場合は事業所得として認めるべきだ」、「副業を推進する政府方針に逆行するのではないか」など多くの意見が寄せられていました。
こうした意見を踏まえ、国税庁は再検討し、原則的に「本業」「副業」などは区別せず、帳簿書類などを適正につけている場合は、収入金額に関係なく事業所得として扱うことにしました。
ただし帳簿があっても、収入金額が300万円以下でかつ本業の収入の1割未満の場合や、赤字が続いているにもかかわらず赤字解消の取り組みを進めていない場合などは、個別に判断する方針です。
国税当局は、サラリーマンが副業で多額の赤字を計上したうえで損益通算し、本業の所得を減らす「副業節税」などを問題視しています。
こうした条件を付けることで極端な副業節税は防げると判断したとみられます。
ただ、まだまだあいまいな部分も多いため、今後の国税庁の発表には注意が必要です。
上記の内容で相談等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。