TOP > スタッフブログ > お役立ち情報 > インボイス制度の少額特例について

インボイス制度の少額特例について

2023年11月28日更新

令和5年10月から始まったインボイス制度に係る「少額特例」についてご紹介します。
少額特例とは、【一定規模以下の事業者】は、1万円未満の課税仕入れについて、【一定期間】インボイスの保存が無くてもこれまで通りの仕入税額控除が認められる制度です。

Q1.一定規模以下の事業者とは?
 基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5千万円以下の課税事業者をいいます。
 消費税の納税義務を判定する場合における特定期間の課税売上高は、課税売上高に代えて特定期間の給与等支払額を用いても良いこととなっていますが、この少額特例を使えるかどうかの判定では給与等支払額を用いる事は出来ません。

Q2.一定期間とはいつからいつまで?
 令和5年10月~令和11年9月30日の間です。

Q3.具体的に何をすればこの特例が使える?
 手続きは不要で、少額特例を適用する旨を帳簿へ記載する必要もありません。
 気を付けなければならないのは、新しい事業年度に対応する基準期間における課税売上高や特定期間における課税売上高がQ1の金額よりも大きければ、この特例は新しい事業年度開始日からは使えなくなり1万円未満のインボイスも保存する必要があるところです。インボイスを保存しないことに慣れてしまい、知らないうちに保存義務が疎かになるおそれもありますので注意しましょう。

Q4.インボイスの保存が要らないなら、どうやって仕入税額控除を受ける?
 帳簿に課税仕入れの相手・年月日・金額・内容を記載することで仕入税額控除を受けられます。相手がインボイス発行事業者かどうかを確認するまでもなく、税込1万円未満の課税仕入れに適用でき、経過措置(80%や50%の特別控除)の対象でない本来の仕入税額控除とすることが出来ます。
 ただし当然ながら、食品や定期購読新聞のような軽減税率8%対象の仕入であるかどうか・課税対象外仕入であるかどうかの確認は必要です。
 インボイスを保存しない場合にも、支払い内容をしっかり確認して帳簿へ記載するようにしましょう。
 また、「税込1万円未満」の課税仕入について使える制度ですので、9,999円までは適用OKですが10,000円は対象外です。「1万円以内」と誤解しないよう気を付けましょう。

参照
【国税庁】少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/02.htm

【国税庁】インボイスQ&A問111~問112

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf#page=163

▲ページトップへ